2019/11/25 19:21



異邦人が憧れ
異邦人が夢見たアメリカ。




沖縄からこんにちは。
店長のやまうちです。


みなさん
アメリカは好きですか?

言うまでもなく、僕は大好きです。はい。


もちろん文化的な意味で、ね。

あと、音楽的には50年代から80年代まで幅広く好きですが
車や建物や服装などの「スタイル」としては50~60'sが一番好き。


そんな、憧れのアメリカ。
古き良きアメリカ。

開放的で妙に人懐っこく、リッチでクールでゴージャス。
とことん華やかで、でも、ほんのり漂う危険な香り。

そんな、50年代60年代のアメリカを旅できる最高の一冊、
フレッド・ヘルツォークの「Modern Color」







フレッド・ヘルツォークは1930年ドイツ生まれ。

1953年、
23歳のときにカナダのバンクーバーへと移住します。

そして、医療関係の写真撮影の仕事をしながら、
趣味として独学でカラー写真を撮り始めます。





ドイツ出身のヘルツォークにとって
バンクーバーの街こそアメリカンドリームの具現化だったのでしょう。

休日にはカメラを片手にいそいそと街に繰り出し
夢中でシャッターを切りまくるヘルツォーク…

そんなイメージが浮かんでくるような
ピュアでまっすぐな写真の数々。

パーソナルな趣味だからこそ、の
落ち着いていて気取らない、純粋な好奇心が感じられます。


カラフルな服装にリッチなアメ車、
ピカピカなネオンにゴージャスな広告…

まさにアメリカ。
「異邦人が憧れ夢見るアメリカ」

これは
ストレンジャーだからこそ見える景色であり
ストレンジャーだからこそ感じるアメリカ、なのでしょう。







とは言っても
作品のほとんどはバンクーバーなんですけどね。

当時の街並みや人々のファッション、
車や広告やショウウィンドウなど、リアルな生活感が最高です。





あと、この写真集では
要所要所で船の写真が出てくるところも特徴的です。

これがいい感じにリズムを生み出し
「旅の気分」を盛り上げてくれます。





50年代、60年代のカラー写真、
つまり、アメリカのニューカラー以前の芸術的なカラー写真、

というと
やはりソール・ライターが頭に浮かんできます。


ソール・ライターの詩的で静謐で曖昧なスタイルと比較すると
ヘルツォークの視線はキリッとシャープでクリーンな感触です。

医療写真が本業だったことの影響でしょうか。
それとも、異邦人であるがゆえのピュアな好奇心の現れでしょうか。


僕は、後者のような気がします。


やっぱり
異邦人だからこそ見える景色、
異邦人だからこそ感じる何か、ってあると思うんですよ。

見知らぬ土地に立ったときのあの感覚。

普段使っていない脳の領域が突然覚醒するあの感じ。
普段とは違うアンテナがピンと立つあの感じ。

異邦人だからこそ見えるあの景色。


もちろん
現実で異国の地へ降り立つことができれば一番ですが

なんとなく脳に刺激が欲しい時は
写真集を開いて旅するのもおすすめですよ。

あっという間に異邦人ですから。



Fred Herzog / Modern Color / 7900円
- 新品です